違いはあって当たり前
「みえるとか みえないとか」ヨシタケシンスケさんの絵本です。
私が絵本を描きたいと思わせてくれた先生です。
この絵本は『目が見えない人は世界をどう見ているのか』(伊藤亜紗/著)をきっかけにヨシタケシンスケさんが伊藤さんに相談しながら作られた絵本です。
視覚を失っても生活をしている人はたくさんいます。
目が見えないから「かわいそう」「大変そう」と捉えるだけではなく、見えないってどういうことなんだろうって純粋に考えて疑問を持ってもいいのでは?と考えさせられる本です。
私も脳の病気になり、長期入院に手術を2回しました。大半の人はかわいそう、大変だったね、と言います。
私は自分の本にも書きましたが、病気を経験してから「かわいそう」という言葉を嫌いな言葉1位になり、使わなくなりました。
この絵本と同じように私が人に求めるのはそんな同情、共感ではなく、好奇心なのです。
どんな病気だったの?入院中何してたの?先生や看護師さん、他の患者さんと仲良くなったりした?など素直な疑問を会話にしてくれることです。
病人に興味を持つのは不謹慎とかそんなの思い込みです(私の意見ですが...)
「健康な人は普通で病気の人は普通ではない」という思い込みがあるからおかしくなるのです。
絵本では目が3つある宇宙人に人間が会います。
すると3つ目の宇宙人からしたら目が2つしかない人間に対して「不便じゃない?」「かわいそう」と気を使ってくれるのです。
自分たちが普通と思っていることが違う、「みえかた」が違う、ただそれだけでその人その人にとっては当たり前なのです。
目が見える人に見える世界があり、目が見えない人は何も見えないのではなく、目が見えないからこそ「みえる」世界があるのだと思います。
そもそも目が見えるとか見えないとか以前に、同じもの、出来事でも、その人にしかわからない感じ方、その人だけの見え方があるのだとこの絵本は教えてくれます。
1人1人の世界があるって思えたら、偏見や差別、他人に対してのイライラも減ると思うし、感謝も歓喜も増えると思ってます!!
今日の名言
すべての人間は平等で独立しており、何人も他人の生命、健康、自由、あるいは財産を侵害すべきではない。
ジョン・ロック(英国の哲学者)